「新聞を読むのだ！」

小雨がぱらつく午後に、自転車に乗って川沿いの道を走ると〜
上流で雨が降っている事を示すように、いつもより流れの量が多い。
川筋がうねって曲がる場所ではグルリ渦が巻き、波音が耳に届いてくる。

うすく暖房を感じるK図書館内に入ると、なぜか今日は親子連れの姿が多く来ていた。
入って直ぐにある受付カウンターの周辺が、とくに混雑をしてにぎわっていた・・。
今日は２階へは上がらずに、１階を一周めぐって手早く今回借りる分の雑誌を選び・・
５冊確保すると、立ち並んだ本棚の間を通り受付カウンターへと抜け出た。

そこには〜この親父が傍若無人な態度で、新聞を読む姿があった。
３人掛けのソファーに陣取り、足元の床にまで新聞の束をひろげて置いている。
そしてこのソファーが、まるで自分の場所である目印とでも云うように・・
濡れた傘を置いてある〜このバカ！！
ここは館内に設置されてある、喫茶店コーナーがすぐ右手にある。

ー来た時とは反対の川沿いの道を走ると・・・
サクラの枝がひろがる並木の下で、羽虫の大群にぶつかった〜
手で払いながら進むと、独特な腐臭が鼻を突いて来て・・
路上に落ちたギンナンの残骸だけがあり、強く匂った・・ー

【場所】世田谷区立K図書館にて