この川沿いの公園に入る前からも、蝉の鳴き声は聴こえていた〜
園内に入ると「これは事件です!」と言うぐらいの姦しさで襲って来た。
園内の樹木の葉一枚一枚に蝉がいて鳴いているのかと思う程で、その鳴き声の異なるトーンから数種の蝉が集まって来た合唱であり、昆虫としての短い一生とこの夏の終りを重なり合わせた寂寥に、息の止まるまで羽根を震わせているのだろう!!
二三枚の写真では絶対に伝えられない程に蝉の鳴き声は圧倒的で、誰も居ない昼前の公園を満たしていた。巨大なマンションが建つ裏の道から犬を連れた散歩の男がやって来た。手綱を外されてフリーになった犬は、喜び走りを少ししただけで首を振るとその場に立ち止まってしまった。
一瞬の休みも無く降る蟬時雨れの園内では、三段高低差の鉄棒で前方回転する子供等の姿は無く、いつもは誰かが乗って遊びギギギュ〜の音を発して揺れる青いブランコは停止のまま、スベリ台と砂場では戯れる母子の景色は見えずに、蝉’セミ’蝉’の鳴き声が姦しく耳を圧迫してくるのだった。
ー小学生の頃は、夏休みの早朝に近所の根津神社にゆき〜
蝉の幼虫が木の根元からトロトロ這いのぼる姿を見に通ったっけ。
虫のロボットと呼んで抜け殻を幾つもシャツの胸にくっつけて帰った・・ー
【場所】祖師谷三丁目公園
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