駅前からバス停の数で2つばかりの距離を歩いてくると・・家々も樹々の影も黒さを増し、街全体が均一に暗くなって空に細い月が出た!!
この時刻まで・・自分の出番を待ってでもいたかのように現れた今宵の月は、縦に浮かんだ白いナイフの様な三日月だった。ドドドドド〜の音を響かせてスポーツタイプの車が向って来る・・ヘッドライトが強く眼底を射るから痛みを感じて、角の空き地へと身体を寄せてかわした。
この角に建っていた邸宅は何の事情か取り壊されたままで・・猛暑の夏を経過した土地は現在その全面積を雑草のぺんぺん草や猫じゃらしや名無し草が占領している。
そのように空き地を密に埋めた雑草群はトランポリンでも出来そうな弾力を感じさせる。
背の高い草の根もとには数種類の昆虫も当然いるだろうが、何やら濃い野生の匂いと体温も覚えるから、未知の獣でも隠れていそうな気配もするのだ。
こんな場面にポエムを感じて写真に捉えようと、草の中に上体を沈めてカメラを構えると’三日月と猫じゃらし’をちゃんと画面におさめたのだが・・三日月の尻尾だけがかすかに映っている・・残念だ。
ー撮影の時に猫じゃらしの毛先?穂先で鼻先をツンツン刺され、くしゃみを連発した〜
その時のむず痒さがまだ抜けないのか時々クシャミが出るのだ・・今でもー
【場所】世田谷区成城の空き地で
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