同潤会アパートの暮し

今までに訪れて体験した同潤会アパートは、この上野下アパート／青山アパート／代官山アパート／清砂通りアパート等がある。その住宅その場所の環境に於ける暮らし方の相違は、夫々にとても興味深いものであったから〜

今も忘れずに脳内メモリーは記憶している！！

塀の内側に置かれた住人達の自転車が律儀並んでいる。アパート内の階段下にあるポストBOXを見ると、鉄フタが永く使われた年月を物語るように錆びて脱色している。二階へ上がる踊り場は暗い翳りの中で沈黙しているが、壁と窓と曲折する手摺りとが時の流れを雄弁に語っている・・。この辺りの銭湯は表通りの仏具店の間を入った日の出湯と、アパート裏の寿湯が今も営業している。

■原宿の青山アパート（現、表参道ヒルズ）は、友人夫婦が三階で彫金教室をやっていたから何度か泊まった事があり、今考えると建物入口と階段の形状がこの上野アパートとそっくりで、前庭に枇杷が実って食べた事もあった。

■東横線の代官山アパート（現、代官山アドレス）には、母娘のガラス作家Kリカさんが暮らしていて、秋の枯れ葉の季節に何度か訪問していた。エリア内にお風呂棟や食堂棟がある等の広い緑地内に、建物が二三世帯ブロックで点在する優雅な一帯だったと覚えている。

■深川の清砂通りアパートには、門前仲町のお不動様から歩いて行った。今から十年前だったが建物は大きな造りで、曲線的な階段やエントランス等の各部の構成がレトロなモダンとして印象に残っている・・。

◆アパートの外壁にあるダストシュート下に、ささやかなガーデンがありアサガオ鉢が見えるのは〜清洲橋通りを北に行った入谷の寺の朝顔市で買ったのだろう。隣町で暮らした母も朝顔市に行ったり，竹町商店街までも買物に通っていた・・◆

ー台東区東上野五丁目ー