万物すべては移り変わり行くのが世の習い、人は去り街の風景も変貌する。
成城駅の北口を出て〜イチョウ並木を突っ切り、真っ直ぐに線を引くとこの場所に当たる。
今ではここ成城でも少なくなった優雅さの有る典型的な邸宅の一つ・・。
昭和の落ち着きと香りが庭木の濃い枝振りからも感じられる。
道路から一段高く組まれた大谷石の塀で囲まれ、正面の門扉も手入れされて頑強な構えで、このデリケートな住居を警護して来た月日を辿る事が出来るようだ。
例えば何かの用で〜クラッシックな玄関ドアーの内に訪れれば・・物腰の柔らかなご婦人に、丁寧な言葉で「すぐに主人が参りますので、少々お待ち下さい・・」
と案内されピアノが置かれた応接間で一人にされる・・壁の造り付け書棚には蔵書の分厚い背が並らんで・・仕切に置かれた飾り棚には備前・古伊万里・楽・古瀬戸・・いやそれどころか四面の壁に古陶器がびっしりと埋まり、それらは骨董価値が高価な品々ばかり〜
ー変な妄想はストップさせなければ・・良質な室内空間に、柱の振り子時計の音が心地く良くひびいているのは間違いない・・と思うー
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