「石の回廊下のHOUSE」

　

本所のディープな場所を訪ねる時間の余裕も無くなり、隅田川に架かる次の橋へと又ひとつの角を曲がる・・行く先が不案内である為に少し心が急く感じでその先へと更に歩を進めて行く〜。
車がスイスイとやってくるS字にくねる道を・・素直に信じて辿ってゆくと、ダイレクトに高速６号向島線の回廊の側面が、立ち塞がるように前方に出現した。

当然の如くに陰となって墨色に染まるその場所に、明るい外見を持つアメリカン・ハウス（北米系の輸入建築か？）の姿はこの辺りの環境ではかなり目を惹く存在としてスタイリッシュに建っている。
英字を読むとどうやらカジュアルなシャツの会社（アパレル）と判明する。
２階の３つの窓に３点のシャツが、この前の道を通る車と人に向けてディスプレーされている。

ー少し距離を置き、離れて見るとまるで机の上で組み立てられた・・
　ミニチュアのドールハウスをペイントしてポンと置いた様にそこにある。
　川からの湿り気を帯びた水分と高速からの排ガスがブレンドされた臭気が漂う・・
　橋から来た２・３台つながりの乗用車が起こす風に川の色香が強く匂った・・ー