バス停で少女が一人で、やって来るバスを待っている〜
背の高いススキが秋風にサラサラと揺れている。
すこし前に来たバスが、それ迄に待っていた人達を全員とも連れ去った後で、誰も居なくなった無人のバス停にただ一人で立っている。
小さなバッグから取り出した本が、学校の本なのかマンガ本なのか分からないが・・ガードレールすれすれに目の前を通過してゆく一本裏道にある郵便局の赤いワゴン車や、タクシー、黒ネコの宅急便の車にも目を向けずに、ひたすら、手に持つ本から目を上げる事も無く集中している。
いずれ間もなくバスはやって来る〜少女が乗るバスは駅の北口に到着する。多分、駅前あたりで母親か友達にでも会ってから、買物に幾つかの店々を廻って楽しんで来るのだろう・・・。
ー背後のススキが大きく揺れて動いた・・・
少女は三丁目の信号を越えて現れたバスを、何ら見る事も無く〜
震動で確認したようで鼻をすすったー
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