桜などの春を告げる花々が咲き、そして散り終えた情景を見て来たが、
地上で気がつけば雑草の若緑が、力強さを発揮してツンツーと〜
道端や、庭のすみっこや、建設予定地を見つけては・・・
貪欲に草の領分を拡げている!!
* * *
成城四丁目から三丁目へと富士見橋を渡っていると〜真下を小田急電車が次の駅へと爬虫類の尾っぽとなって・・細く素早く消えていった。
立派な邸宅が隣り合って建ち並ぶ辺りに好きな道がある。桜とモミジの枝葉が頭上に被さりチララと木漏れ日のゆれる道は・・数十メートル行った先きで崖となって終結する。
崖の手前に、発光するが如く黄緑色に輝く静かな草地があって〜その四角な空間には数軒の邸宅が建つに充分なスペースが確保されてある。
この空の下で屋敷を左右に従えた草地は美しく輝いて〜どこかに動物が隠れてでもいるような温もりがあり・・獣と草と土とをシェイクした匂いが今にも漂って来そうな幻想を抱かせてくれる。
◆「草原の輝き」はエリア・カザン監督作品で、ウォーレン・ビィーティ&ナタリー・ウッドが好演した好きな映画だった。故郷の山河を舞台に若い男女が焼けるような思いを体験して成長してゆく〜幾年月が巡って過ぎても・・草はしなやかにその輝きを忘れない・・◆
ー世田谷区成城三丁目のあたりー
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