3月も中旬となり・・東京の町中を歩くには良い季節になった。
ここ湯島界隈は天神様を中心として、切通し坂の上下で本郷・上野、動と静の領域に住み分けされている。 車の往来が頻繁な春日通りにひっそり「壷屋」が在る、ここの最中は堅めに練られた餡が、香ばしい壷型の皮に包まれて・・勝海舟が好きだった事で知られる・・私も。 この地は春木町と呼ばれ近くに「婦人生活社」があって木村寛’編集長にはお世話になった。ファッション情報誌としては勿論の事「私の部屋」では日常生活を楽しくする雑貨文化の先駆け〜「BISES」ビズは今日のガーデニングの隆盛の基礎を作ったと云える・・ビズは版元は移ったが今も続いている。
湯島は語る事が多すぎて寡黙になってしまう。
切通し上の質屋の裏手に同級生の家が有り生意気にも高校卒業する頃から、この界隈で毎日の如く飲み歩いていた。 天神すぐ下角の「しんすけ」は日本中の酒場好きが一度は行きたいNo1・2に選ばれる人気店だ。 その頃この店はガラス戸が夏は開けていて、切り通しから降りて来る風が暖簾を揺らしていた。
一二杯ひっかけて路地を移動して、次の女の子が居る店へと行く「羽黒洞」の横に細い柳の植わった飲み屋があって、若いでっかい女(森くみ子体型)が居て夏の池之端の夏祭りの頃か・・タクシーに共に乗った・・その圧迫感が未だ消えない。
ー「羽黒洞」書画骨董の世界で先代は超有名人だった、片腕の袖がペタっと抜けた凄みのある、生き乍らにして伝説の人物だった、何度かすれ違った・・湯島でー
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