小田急線の駅前から・・(祖師谷商店街)を南へと行ったあたりは〜
米屋・魚屋・肉屋・電気屋・クリーニング店・古書店・酒場などの・・
小店舗がびっしりと寄り合う様に並ぶ通りで、狭い道幅の何処からか〜
食べ物の匂いが複合してこちらの鼻腔に入り込んで来る。
そんな通りをゆくと、自転車がなぎ倒したように数十台も置かれた行き止まりの横丁があって、一番下に押しつぶされた車輪はサビ溶けて地面に吸収されかかっている。
そしてそこに永い年月を使い込まれた灰色の古ビルアパートが無造作に建っていた。
赤く錆び付いた鉄骨外階段を地面から這い上った雑草のつる植物が〜
階上の錆びた窓枠にも飛び移り、その先端をさらに伸ばしている様子で・・
この古ビルを喰わんとする貪欲な生命力を見せていた。
少し落ち着いた眼で見ると、アパートでは無い事にすぐに気付いた・・・
灰色の外壁にガスの配管やダクトの設備があるので、何かの作業場ビルなんだろう〜
そして自転車はこのビルに通って来る従業員達の足なんだと思う・・。
ーこの商店街に新しく店開きしたのかオープンスタイルな角の焼き鳥屋では・・
店頭で働くスタッフの若い男女がお揃いのエプロンと鉢巻き姿で〜
道行く人達に声をかけていた・・ー
【場所】世、祖師谷大蔵商店街、南〜
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