日頃の運動不足を解消しようと裏の道を歩いていると、樹木に取り囲まれたこの古色を帯びた小さな木造の家の所に出てきた〜。
そこに秋の風が吹いて、屋根より高い棕櫚の木の葉をザワザワと揺らして抜けてゆく。
表のバス通りからは深く入り込んだ場所であり、しばらく来ない間にこの家の周囲一帯には、すっかりと新興住宅の小ぎれいな家々が建ち並んでしまっている。
新興住宅は1・2年の新しさで高級感もあり、屋根・壁・窓などの建築素材は同質でも〜
家夫々のDesignは一軒一軒が微妙に変化を付けた仕上がりになっている。
各家々には駐車スペースも備えてあり、隣家の間を仕切る煉瓦塀には、全てに同じ型の郵便受けが取り付けてある。
道に立って、この木陰の家を見ると、慎ましやかに家のまわりは整頓されている。
外置きの洗濯機なども、きちんとカバーがされて暖かな秋の陽を浴びている。
50〜60年は昔のままその場所に生活をした、この家の歴史が刻まれているが・・
新興住宅が周囲を埋める現在の環境にあっては、取り残されてしまった風景だ。
ー何か哀しい気持ちがするこの場所から〜目線を振りあげると・・
秋空に天高く飛行機雲の白線が一筋昇ってゆくのが見えた・・ー
【場所】調布市入間町あたり〜
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