[Rappo' Land blog]

09’草喰われの家-16

　

何気なく入った墨堤通り裏の小道でこの草喰われの黒い波トタンの古家と出会った。隅田川の東岸に位置するこの地区は激しい戦火を浴びた所だから、この貫禄ある顔付きの古家には当時の記憶を秘めた凄みも感じるのだった！！

経年のサビを含んだ深い黒のトタン壁は暖かみを帯びているから、つる草は根付いたのだろうか〜濃密に茂って上へ先きへと這ってゆき、隣接する建物までもその触手を広げている。

この街を遠い過去の日にバスで数回ばかり通っただけで、永い年月の彼方に忘れていたも同然だった。でも時々は地図で確認する事はあっても今迄この地区に来る目的も理由も機会も皆無であって〜今回スカイツリーの建設中現場を見届けに訪ねて来たが・・懐かしさを感じても思い出の切れ端も掴めない初めての街だった！！

◆草喰われの古家の右後方に風呂屋の煙突が見えたので共に画面の中に取り込もうとしたが〜道幅が狭く不可能なので困ったが反対側の家の間に身を潜り入れて撮影をした・・帰ってから２３区詳細地図で見ると「墨田湯」だった◆

ー墨田区吾妻橋２丁目ー

09’草喰われの家-15

師走の夕空の下で影が目立ち始めた原宿の街は〜ブティツクの窓の輝きが強さを増すと フラワーShop、靴の店、帽子店、輸入雑貨の店etc・・と店頭から流れる幾つものライトが道路を照らすと、つかの間の夕景色は淡いフレームの中にジオラマの様にあった！！

そんな通り沿いで暗く色を失った一角があって、手前から奥へと更に色を失ったこの箱型アパートが窓も暗く背後に鉄塔を背負う形で建っていた。繁茂して伝い伸びたつる草が侵蝕するカタチで取り付いており、建物全体を包囲する草喰われの状態を呈していた。

旧渋谷川遊歩道のゆるくカーブする所に建つこの四角な箱型アパートは、三階建てのどこにも装飾的なものは見られず、単なる巣箱のような生活をここで何組の人達が過ごしたのだろうかと思ったが・・ロープが張られて今は売り物件のプレートが掲げてある・・。

◆この建物と同じ道沿いにあるブティツク横の道から突如自転車に乗った警官が出現すると〜立ち漕ぎスタイルで師走の原宿の街を何処かへと走って消えていった・・◆

ー渋谷区神宮前の旧渋谷川遊歩道でー

09’草喰われの家-14

位置的に大きな古い寺の参道と思われる通りにある家の横壁の青い波トタン面につる草が繁っていた。寒風で葉が散り始めているが蔓の先きの触手は玄関側の２階にと廻り込んでしっかり喰らい付いているから・・来年への手探りなのかも！！

メトロ銀座線の田原町駅からカッパ橋通りに行く途中に見えてくる東京本願寺なる古くからある寺のこの通りには〜小じんまりとした２階屋が秘っそりと両側に軒を低く並べているのです。

以前から道具街の真ん中あたりに出る近道として浅草通りから曲って入るこの道は〜今は居酒屋の提灯が下がっていたり、食事処の暖簾があったり、家内手工業の木札が出ていたり、何かの取次店だったり、植木鉢が玄関前を占領する家があったりと・・それぞれの暮らし方が伺える。

◆店の様子が変わったので気付かなかったが〜１０×３年ぐらい昔に中古ジーンズを作業着として投げ売り状態でやっていた店で白のリーバイスを何度か安く買った事があったが・・角にあった店は小ギレイとなり半分の店舗で今もやっていた・・オオッ！◆

ー台東区西浅草１丁目、東京本願寺近くー

09’草喰われの家-13

　

つる草の衣装をこんなにも美事に着こなした木造の日本家屋は、めったにあるとは思えないと感じた。実は数年前にもエントリーした家なのですが、当時はもっと荒廃色が濃厚な容貌だったからすでに解体されており雑草地のままか、新住居が建っていると思ったから・・この日は嬉しい驚きの再会だった！！

この家は成城の富士見橋から近くの閑静な住宅街の通りにあります。富士見橋（下を小田急線が走行する）は、この地区から眺める富士山のベストビューポイントであり、この日も橋上には西方の彼方の雲の隙間から、見え隠れする富士を見に来た数人の姿があった。

この家の正規の入口の判断は出来ないが路上に置かれた大谷石を踏みあがる左からと〜鉄柵を押して小庭へと入る右側では奥にまわるとテラス風の裏庭のある気配が伺える・・。

木造日本家屋の２階家の板壁面をあます事無くつる草がビッシリと繁茂している〜ガラス窓は無表情な鏡の様に１２月の薄青い空の景色を忠実にペラリと映していた。

◆２階の屋根から下の階へと白い樋がしっかりと整い、この家の背筋をぴんと見せている〜板壁の破れ箇所も無いから、補修がちゃんとされている様だ・・コタツと火鉢が似合う室内だろう◆

ー世田谷区成城三丁目ー

残尿感の師走

政治の世界では政権交代が実現して三ヶ月が早くも過ぎた。民主党が鳩山総理を代表として三党連立内閣を組んだ事の影響が〜日米間の基地問題、来年度予算での国債発行・・等々に歯切れの悪いざまを見せるから、あたかも何だか残尿感の症状を見るようだ！！

この日は喜多見駅前の医院が多く集まるクリニック通り（勝手に命名）は青空が眩しかった。今年の夏過ぎから残尿感の為に何度か通っているが、何故かいつも曇り空の雨模様で気持ちも晴れなかったが，この日は自転車で落葉をカサ々と踏み走って来た。

泌尿器クリニックで採尿をしてから、先生とモニター画像を見ながら残尿に至る説明を受けた。そして２度目となる肛門からのダイレクトな前立腺検査の触診では〜そんなに大きくはないから様子を見ましょうとの判断だった。

カルテを持って隣接する薬局に行き内服薬のハルナール（交感神経の働きを抑えて尿道や前立腺の筋肉の緊張をゆるめ排尿を促す・・）の４２日分を入手する。

◆女の子が、出すって大切”と叫ぶ便秘薬のCMがあるが〜私は排尿は大事”と言いたい、男は膀胱から出口まで２０cmの間に前立腺があるが・・女には前立腺は無くて出口まで５cmなんですと・・◆

ー小田急線、喜多見駅前通りー

眼下に夕映えのビル街

この時間に新宿へ来たからには夕映えのビル街を眺められる場所の店に行きたいと思った。西口改札から出てすぐの駅構内から直に連絡のある小田急デパートの１０階へと、エレベーターに乗って一っ飛びで上がって行く！！

お互い出先の駅からケイタイで連絡を取り合い、カミさんと待ち合せをしたのは〜同じフロアの伊東屋でと言う事だったが、相手は先きに来ていて来年度のカレンダー（岩合さんのCat's写真）を買い求めていた・・。

入ったテラスCafe'の店内では西に向いた窓の席に座った。大きなガラス面を窓と呼ぶのか壁なのか？？とにかく高層ビル群が刻一刻と明暗の度を深めてゆき、ビルの谷間を走行する車列のライトが明滅するシーンを眼下にすると静かな興奮を覚えるのだった。

ヨーグルトベースの朱い木苺のドリンクを注文して〜やがて運ばれて来たコップの冷たい感触は冬のビル街と同じ冷たさだと感じた・・。

◆窓外の夕景色と向いあっていると、Kホテルのビル、M土地不動産の、N証券の、Y銀行の・・のビルと個別の形状からでは無く〜ビル群の全体から沸き立つ夕映えの交響楽とでも呼べるような何かが聴こえて来る気がした・・◆

ー新宿駅西口小田急デパート１０Fカフェの窓席ー

神田駅裏通り夕景

混雑の始まった駅構内から改札をぬけて外に出ると〜周辺のビル建物は黒い影となっていても、神保町＆九段方面の西空は茜色で街は未だ暮れ切ってはなかった。パチンコ店、ゲームセンター、ラーメン店、風俗店、金券Shop・・が軒を並べる通りでは、各店のネオン看板が目映く輝きの帯となって、空虚な明るさを振り蒔いているのだった！！

神田は江戸の昔からビジネスの街として栄えた場所だから、商談や飲み会などで商人達が使用する飲食店が、駅を中心とした道筋に数え切れない星の数ほどあると言って良いだろう・・。

歴史のある街は彷徨い歩きたいと思う裏道の本数も数多くあったり〜訪ねてみたいと心さわぐ魅力的な路地をその奥に隠し持っているものです。

駅前の西口商店街をチョチョツと行くと神田多町大通りに入るが〜通りにはレトロなミルクホールがあるし、鶏肉屋のコロッケの旨い店があり・・庄太郎最中の和菓子店もあるし抜けると淡路町交叉点の近くに出るのです。

◆飲み助には堪らない横丁が、駅からすぐの裏通りにあった。酒場が両側に密集する夕景色の似合う路地で〜奥へと進むと駅から来る別の道が先方に明るく見えて来た・・◆

ー千代田区JR神田駅西口商店街の路地ー

09'12,in ASAKUSA

かって台東区の住人だった時には〜
浅草の街に来るのは特別な事ではなかった・・。
正月から始まる季節ごとの行事や祭りは、当然の事であり頻繁に来ていた
そんな日常生活を送っていたけれど、近年では来る機会が少なくなった。
浅草の街は変化が見られるけれど、その実体は何にも変わらない！！
＊　＊　＊

「レトロ看板の居酒屋」馬道通りを横に入った松屋デパート裏の酒場の入口の壁には、キンチョール、オロナミン，エビスカレー、焼酎・・等々のレトロなホーロー看板で隙間も無く埋められていた・・店主のコレクションを見せているのか。

「新仲見世通りの屋根裏部屋」通りには河豚料理店の看板があるが、上へと目線を向けると青いトタン張りの小屋が見えた。アルミサッシュのドアと空調の室外機が取り付けてあり、こんな場所でちょっとばかり住んでみたいと・・思うような粋な三角の屋根裏部屋だ。

「浅草のイタリアンジェラードの店」地下鉄の雷門出口近くにあるメトロ通りをゆくと、アイスクリームの店前でベンチに座る母娘の姿が何とも微笑ましかった・・。２００５年に浅草寺病院へと毎週歩いて通った道であり、その頃は間口の狭い店頭販売だけに店だったが今では店内にテーブル席が出来ている。

◆浅草寺界隈の通りを話しても分かってくれない人達がいるが〜新仲見世通りは松屋前の馬道通りから観音様の参道を越えて、さらに国際通りへと出る六区の映画街までの道なのです・・分かるかな？◆

ー台東区浅草寺界隈の店々店ー

仲見世で日が暮れる

馬道通りで今日の日が暮れて、街はとうとう暗くなったと思ったが〜新仲見世の通りに入ると犇めき合う商店のライト照明と賑わう人の波で、パーツと目の前が明るく華やいだ雰囲気に包まれた・・！！

鯛焼きを買う人が並んでいる先にはマックの店でハンバーガーをパクつく若いカップルがいる、回転寿しの店、焼き肉屋、５０％offの洋品店、団子屋、蕎麦屋・・・とある。人の流れに翻弄されるままに行くと観音様の参道である仲見世通りとぶつかる、そこからクルリ振り向くと店店店の彼方に西日を浴びる松屋デパートがあった。

日本人の自分が見てもエキゾチックを感じる和風の店構えの店舗が、仲見世通りにはずらりと隙間無く並んで客を呼んでいる。この通りで商売する人達の日常の生活が、店舗の屋上スペースで洗濯物が参道の風に翻る夕景色に反映されている。

◆参道にはライブで見せる煎餅屋があって、焼きたての醤油の匂いが漂い流れてくる〜しょう油が日本人の郷愁を誘う味だと日暮れる浅草の街であらためて思ったりした・・◆

ー観音様の仲見世＆新仲見世通りー

東武浅草駅＆松屋

　　

この浅草の地にあって下町大衆のデパートとして歴史を持つ松屋は〜その館内に東武鉄道駅を内蔵しており、まるで百戦錬磨の古武士の如き風貌を見せて・・堂々と今も現役で存在する偉大さは、道ゆく人の眼を惹き付けている！！

馬道通りの側にまわって路上からこの建物全体を眺めると〜東武線が松屋構内へと乗り入れるホームの様子が確認できて興味深かった。建物の上へと目線を向けると工場か銭湯のような煙突がニョキッと出ているが、現代のビルでは見受けられない珍重すべき光景だと思った。

２０００年前後に松屋で開催した秋のイヴェントに四五年続けて参加した時に毎回使った社員食堂や〜上階には家族的なレストランフロアがあるから厨房か館内暖房やその他の熱処理の為に煙突はあるのだろうが・・もしか銭湯があったら面白いな。

◆浅草松屋は日本で初めて屋上遊園を造った事ではパイオニアであり、他のデパートに影響を与えたとして知られている。眼下に浅草寺と隅田川を望む等のビューポイントとしては申し分の無いここに、近々スカイツリーの眺望が加わる事になる・・現在２００M以上を工事中・・◆

ー台東区花川戸１、松屋デパート・・ー