駅へと向う脇の道を行き来する人達の背後に、大きく切り立つ壁面の造形は周辺の一般住宅と全く違って、シュールな陰影のある風景となって通る人に迫ってくる・・。
東京の西域にあたる国分寺ー深大寺ー調布ー成城と辿って流れて来た野川が〜小田急線と交差する真下の川辺では・・春の野草群が花ざかりで黄色にゆれている。
◆この１週間は春の陽気が続いて楽になったけれど〜冬の時季や一ヶ月前に通ったこの高架橋下の道では・・冷雨、強風、春の雪と厳しい寒さを体験させられた・・◆ー成城から喜多見へと渡る上野田橋のあたりー
駅前から花屋，Cafe'，酒店、食品スーパー、靴屋、パチンコ店、コンビニ・・等々とあらゆる業種の店舗がびっしり並んで構成する商店街の、店と店の間に路地がある！！
そんな店々が軒を連ねる間に、人独りがやっと通る事のできる息抜き的な隙間があり〜入っても先きへと抜けて出られるのか？もしかして袋小路なのか？未知の迷路なのかと、不安を楽しむ気持ちが生まれてきたりする。
入口角にあった本屋が無くなっていたが、すぐ先きの細いドアから青いロープを結び首輪をした三毛猫が出て来た。落着きのある貫禄の表情を撮ろうとカメラを向けると・・クルリと素早く青いロープを引いてドア内に消えてしまった。
狭い路地の両側には、商売する店々の看板が色々と出ている。不動産屋があり鍵屋が＆酒場がある〜上下外階段もある屋根の重なる隙間から空が見え、配線コードが軒下を這い、受信アンテナの金属がピカリ反射して光る。
◆路地は突き当たると奥に中華飯店があり〜裸電球が天井から照らす空間があって・・左へ曲がると先きの横丁へと抜け出る事ができる・・◆ー祖師谷大蔵ウルトラマン商店街の隙間ー
永い間親しんでいた以前の駅は改札口を出たらすぐ踏切りで、駅前の場所としては狭かった。思い出す事のできるその場面は、警報音が鳴り響くと緊張感が周辺に伝わり〜上がり下りの車輌が鉄の塊となって、眼前を轟音と共に疾走して行ったのだから。
踏切りマニアの自分とすれば、その当時のこの駅踏切り画像を記録しなかった事が〜残念で悔やまれるのだけれど商店が線路際まで迫った踏切りを両側の人達が・・我れ先にと押し合って渡った競走意識を懐かしく追想する事が時々ある。
◆狭い駅前でせめぎあう混雑のエネルギーを懐かしがるのは勝手な話しであり〜やはり現在の駅周辺のフリーで楽な人の行き来の方が望ましく賛成です・・◆
ー小田急線、祖師谷大蔵駅の北口あたりー
「道標」とは、方向や距離などを記した札や柱で・・道端や辻に立てた通行案内の事。
NTT研修センター前の坂道は、調布駅〜成城駅間のバス通りでもあり・・その長い坂の途中の分岐する地点にこの石柱が独り立っている。深い傷跡もある石柱はまるで戦火を浴びた様な歴史を感じる古色を帯びており・・以前から知っていたが立ち止まって確かめる事はなかった！！「百万遍供養塔」が正式名の石柱は〜天明元年（1781年）に泉竜寺（狛江市）に詣でる人達の為にと、この地に立てられたと言われています。
そればかりか道標としても重要だったそうで、右世田谷目黒通り／左り江戸四ツ谷道／と刻まれているのが今も読み取る事が出来る。
◆その昔この辺りは、七曲がり道と呼ばれ、薮道、坂道、小径などが多くあり寂しく迷いやすい所だったので・・道行く人達にはとても役立った「道しるべ」と聴いている◆（現在では・・調布市の郷土・民俗資料に指定されている）
ー調布市入間町１＆２丁目の間にある坂の道ー
ここから先きはもう行き止まりとなる所まで来ると〜
樹木の繁る間に空の青が見えたので際までいってみた・・
そこには降り口があり、自然に出来たような階段坂の下方には
幾つもの家々の屋根が、重なって見えていた！！
＊
自転車を抱えながら階段坂を下りる〜両サイドに建っている住宅は独自のルートで坂と結ばれている・・コンクリートを流した中央部は階段状になっているが、横を見ると雨水の通る自然道の溝が下まで続いていたりする。
緑ゆたかな斜面で暮らす事の工夫を、それぞれの家がそれぞれの住まい方でしている〜花木を植えたり、ブロック、石、竹、木材・・を使って築いて来た様子が各場所に表現されてある。
崖地の湿り気を含んだ匂いがするこの辺りは、国分寺崖線であり〜土壌に豊かな水質のある関東ローム層があるから・・太古から自然な緑地を形成しているのでしょう。
◆下まで降りて街並をゆくと，崖線に囲まれてゆったりした環境に〜小学校と中学の校舎があり、図書館もあった・・水音がする道を辿った先には「実篤記念館」があった・・◆
ー調布市若葉町１丁目の崖際あたりー
今から１０日前の事だった〜成城側から小田急線の高架橋下を潜ってゆくと・・閑静な砧の住宅街では曇り空の下で街路樹の桜が満開を迎えており、そのシーンを撮影しておいたのだった。
道がゆるくカーブする所の古木は途中から折れていても〜墨色の太い胴体の脇から伸び出た枝が沢山の美事な花を咲かせていた。
そんな桜の樹の下を走って来た一台の自転車は若い父親だったが〜なんと前に赤児を抱え後ろに子を乗せた三人乗りで・・桜の咲く道の白線上に沿って駅方向へと通っていった。
◆ピクルスを食べたいから作ろうと思ったら〜予想外に冷たい季節の影響ですべての野菜が値上がりしている・・でも作って食べたいピクルス・・どうする！◆
ー世田谷区砧八丁目の路上でー
ビール坂を上まであがり切ると意外と狭い道幅になり〜右側は成城地区で左側は北に向って調布地区と地図では区分がされている。
この春の時季はサクラの花がそんなケチな見境を無視して両側から溢れるように咲きこぼれるから・・満開の桜の木の下を通る車のボディーには酔ったようなピンクの花影が瞬時に転写される。
この坂に沿った下に某ビール会社の住宅団地（四五階建ての）が数軒集っていた事でビール坂と呼ばれていたが〜２０００年の前後に隣り合うゴルフ練習場とテニスクラブ等と共に全部が撤去され・・現在はNew Townが出来ている。
◆ビール団地は消去され無くなってしまったけれど〜以前と変わりなく今もダラ々と上り下りする長い形状のこの坂は・・そのままビール坂と呼ばれて残っている・・◆
ー世田谷区成城と調布地区の分岐点の坂ー
四月七日は宇宙飛行士の山崎直子さんを乗せたロケットが宇宙ステーションに無事到着した日だった・・。
地上の私は花曇りの野川沿いを自転車で走り喜多見駅前のクリニックにと往復した日で〜寒く雨の予感もあったからフード付きコートを着用した事と ・・往路で桜の景色を撮影しておいた事が正解だった！！
曇り空から小雨が降り始めた帰路は、気温も低下する雨の中を野川の川辺にくると、昼前の遊歩道は上流も下流も見渡す限り桜で埋まっていた。
空色の神明橋は世田谷地区の野川に架かる成城と喜多見との連絡橋であり〜すぐ傍には道から横に休憩するベンチの置かれた一角があって・・散歩する人達には良い場所となっている。
左の桜の間にコンクリートの階段支柱があるのは「きたみふれあい広場」へ上がる所で新緑に溢れているが・・河原に下りてお花見する十数人のグループの姿も見えた。
サクラの花を愛でながら遊歩道を次々とやって来る人達がいる〜車イスを押すボランティアの人や・・道の清掃をするグループの人達もいた。
◆道に散るサクラも奇麗だった〜同じ地域に降る雨でも、街中と川辺の道とでは降り方が違う・・水は水を呼ぶから川から濡れて帰った・・この日◆ー世田谷区喜多見九丁目、ふれあい広場の川辺ー
成城九丁目から観世音堂前の坂を下ると、大石橋の上に出る〜
橋下を流れる仙川は、祖師谷から成城地域へと向い・・
けむる岸の桜と川辺の野の花を、水面に映して蛇行してゆく！！
この辺りは川沿いに住宅が密に建ち並んでいるからか、桜の本数は少なめでポツンと有ったりするが〜住宅地域であっても、野菜畑があったりする野の風景の色彩も加味された・・ほっと息抜きできる場所となっている。
川の中の湿地で小花の黄色や紫に咲く野性の花々が川風に揺れている・・何処からか飛来する野鳥達が流れで遊ぶなどの姿がピタリと似合う春景色として眺められる・・。
◆橋から上流に見えるこんもりと黒い一帯は観世音堂の裏山で〜通りかかると境内は山の陰となって薄暗くシーンとしていたが・・数本ある古木の桜は満開だった◆
ー成城九丁目〜祖師谷五丁目の川沿いですー
駅を見にゆくと言うフレーズは別に可笑しくないと思うけれど〜今年になってからウルトラマン商店街に買物などで何度か訪れてはいても・・祖師谷大蔵の駅を見ていなかったと気が付いたからだった！！
四月の祖師ケ谷大蔵駅に来ると、駅はその場から移動する事も無くちゃんとそこにあった。それは当然と云えば当然な事であって、季節の移動は春夏秋冬を繰り返し、月日の流れは昨日今日明日と経過してゆく。
駅がそこにあってくれるからこそ人は集まって来るし・・人々は行き交う事で出会いもするし・・お久しぶりとかで立ち話をするご婦人方も居て・・街は成立している。
駅前角にあるHANAYA' Shopではブルー、白、ピンク、赤、イエロー、紫、グリーン・・の花々が店頭を春色に飾っており〜街角時計の文字盤の中で長針は、午後の四時過ぎを指している。
◆店前のウッドデッキにバイクのある洋風居酒屋の前を通ると〜ドアが開いていて置き看板の電気コードをつなぎ、夕方からのOPEN準備をしていた・・◆ー小田急線、祖師谷大蔵駅前通りでー
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