[Rappo' Land blog]

坂上の廃園

川へと降りてゆく左側に石垣が積まれた農園の跡らしき場所がある〜
この雑木林に囲まれた坂の上に来る度に、こんな所に葡萄園でもあったらさぞや素敵だろうと、自分勝手な妄想に耽る事もしばしば！！

坂の途中で石垣が切れた所がこの廃園＆農園の入口で、円い柱が左右に打ち込まれてあり、古く錆びた鉄柵が立てかけられてあり、細いロープ縄で縛ってある。
木洩れ日が影をつくる入口から園内を覗くと、草地の中央が踏まれて地面に曖昧な道が出来ており、その先には物置き小屋が幾つか置かれているのが見える。
実をつけた栗の木があったり、テープが張られて畑もある様子がちょっぴり伺える。

入口の石段も崩れそうに歪んでガタガタするが、人の影はチラリとも見当たらない。
この坂の下には地続きで観世音堂もあったりするせいか、不思議な雰囲気が漂っていて、時たま車が通るだけの坂道は他に音もせずに、夏の午後の静寂を感じる。
この坂道の反対側には傾斜する坂の勾配にあわせて、住宅が隙間も無く建てられている。

ー猛暑の七月も今日がドン詰まり、練馬に住む旧友のNが今日中に引っ越しをする〜
私が佇むこの辺りは、高級住宅地と呼ばれている成城のドン詰まり・・九丁目ー

【場所】世田谷区成城九丁目

海辺の小屋か？

現在は様々なDesignで建てられた小ぎれいな住宅が街にある。
焼きレンガで囲んだ小庭ではパンジー、インパチェンス、マーガレット等の赤、黄，白、ピンク＆ブルーの彩りがセットされたように咲いている。
気が付くと、道沿いの玄関前にある鉄のポストが皆同じだったりする！！

住宅地域の道をゆくと、庭木が暴れ気味に繁茂して道に影をおとす場所があった。
近づいても重なり合う樹木で家は見えずに、何気なく横にまわる・・。
そこには永年にわたり海からの潮風を浴びて朽ちた、まるで漁村ででも見られるような色の抜け去ったトタン造りの小屋があった・・。

元々この地域には一戸建てで庭付きの小住宅が、昭和の時代が終わる頃までは〜
道を挟んだ両側に建ち並んでいたのではないかと想像する。
と言うのはここから離れた場所でも同タイプの小住宅が、マンションや新興住宅などの間にポッリと残るのを何度か目にしているから〜。

ー海辺の小屋の発想は、大分以前の夏に、茨城の漁村で過ごした事があったから〜
港の外れに大きな二艘の廃船が朽ちて置かれてあり、浜から上がった斜面にある・・
トタン小屋の煙突からは、細く煙りがたなびいていた・・ー

【場所】祖師谷地域の一角・・

玄関までのアプローチ

　　　　　

ウルトラマン商店街は猛暑の今日でも、変わらない人出で賑わっている〜
表通りから曲がって入り、住宅街をゆくと道から奥に家が見えて・・
その家の玄関まで道から延びる長いアプローチが敷かれてあった！！

まずは中央にポンポンと飛び石の埋まる夏草の道があり、その先に見えている家の玄関前までアプローチは途切れずにつづいている。写真には写らなかった左手前には郵便受けが付いた鉄柱が名入りで立てられてあった。
道から奥へとすすむ車道もあって、突き当たった左に鍵の手に曲がった空間が駐車場になっていて乗用車の数台が置かれている。

また隣接する右奥の家へは、パーテションに金網で仕切ったプライベートな細道が・・
夏草の道と並行してやはり玄関先までのびている。道際に立つ先頭の柱に名札が貼られてあるのが見えている。アプローチの途中に自転車が停めてあるのが見える。
隣り合う２軒の家の玄関までのアプローチは、少なく見ても８〜１０メートルはある。

ーこの辺りの住宅地域は住人が多く暮らしているはずなのに〜
午後３時過ぎの夏空の下では、小犬の鳴き声さえも聴こえずに静だった・・。
この２本の長いアプローチが影響していたとは考えられないか？？？ー

【場所】祖師谷四丁目裏通り

新宿副都心遠望

小田急線で新宿まで出て、山手線に乗りかえる予定だったが〜
つい気付くのが遅れて代々木上原駅から地下に潜ってしまった・・
車内で慌てたが代々木公園駅（メトロ千代田線）に運ばれてしまった！！

上原駅へとターンする電車を待つ地下の駅構内は、忘れられたホームのようで〜
駅員と他には２・３人の姿しか見当たらない・・少し待って乗った車内では、事情を知らない乗客の視線さえもが、何故か冷ややかに感じられるのであった・・・。

代々木上原ホームに戻ると、少しばかり気の抜けた目線の彼方に新宿副都心の高層ビル群が、まるで蜃気楼のように夏空を背景にして薄く儚くかすんで映っていた。
甲州街道沿いの東京オペラシティー＆パークハイアット東京などが薄い影のようにあり、一番右端には山手線の代々木駅前に建つ、トンガリ棒のNTT電波塔が捉えられる。

小田急線と千代田線との乗り換え駅として、いつも何の問題も無く代々木上原駅を使っているのにこんな事になったのは、やはり夏の暑さのせいだった事にしておこう・・。

ー気候の良いシーズンには代々木公園駅（千代田線）〜代々木上原（小田急線）の間の道は、ウォーキングで何度も通った事のある、道筋としても距離的にも、そして車などの通行量も少ない、丁度良い道なのだ・・ー

【場所】小田急線、代々木上原駅ホームから

五反田駅ホームの夏

現在では駅のホームから街の風景を見通せる事は少なくなった〜
駅がビル内に組み込まれていたり、ビルに囲まれて目隠し状態だったりする。
JR山手線五反田駅ホームは眺めが良く、風が通る夏のホームと言える！！

写真を撮影したのは山手線の内廻りホームで、東側の駅前風景が一望できる好きな場所。
山手線の電車は目黒駅から来て、次の大崎駅へと五反田駅を中継して走行してゆく。

左の写真では桜田通りが高輪台駅（都営浅草線）方面から、相生坂を下って来てこの駅前に到達している。また右の写真は駅前のロータリーを、大きな歩道橋が三方向に渡っていて人の列が続いている。品川駅方面から来た八ッ山通りが、ここで東急ストア前から駅のガード下を潜ると、東急池上線と並行して戸越銀座方面へと走行してゆく・・。

ー駅は現在でも工事が進行中で、鉄パイプが組上げられて、ブルーのシートカバーが張られている。西側では早々と駅ビル「アトレ」が誕生しており、花Shop、Cafe'、レストラン、スーパー等が営業を開始している・・ー

【場所】JR山手線、五反田駅ホーム

クリスマス’の夏

　

日本の各地で今年の最高気温が報告されている〜
岐阜県の多治見や埼玉県の熊谷では36〜38度の猛暑に・・
東京は33度でも街の路上で計測すると40度を超える暑さだ！！

可愛いスノーマン照明に心が動いた、こんな猛暑の七月にすでにX'mas商戦は始まっているのです。このシーズンになると日頃取引きのある問屋筋からのお誘いメールDMが届けられる。毎年の恒例でもあり今年はどんな新商品が登場するのか興味もあるので・・暑い中を出掛けて行き、内覧会が行われている幾つかの問屋ブースを巡る事になる。

X'masの定番商品など、十年一日と変化の無いように見える物でも確実に時代の流れはある。
サンタとかスノーマン等のメインのキャラクターにも、微妙な変化は見られる。
寒く冷たい冬の街を彩るイルミネーションや家々の窓辺の明かり（電飾）に、一番の変化がこの数年に起こっている。それまでの白熱電球から発光ダイオード系のブルーの輝きに移行している事・・耐久性と防火の見地から。
小型電池およびボタン電池の使用から、コードレスの発光する，作動する，音の出る商品開発が年々と増加する傾向にある・・・。

ー今のこの時点から遠い所にあるX'masでも、５ヶ月後には確実にやってくる〜
すべてが先き取りな現代生活でも、今のこの季節を楽しまなくては・・・
夏は好きでも、でも猛暑は嫌いだー

【場所】TOCビル９階フロアにて

 

[T・O・C]ロビー

大きなビルを訪れると１階の入口に花が飾られロビーが設けられている〜
帽子をのせベストを着た女性が２人居る受付＆案内ブースがあって・・
壁一面の電光パネルにはビル内のオフィース情報が次々と流れている！！

[T・O・C]・・東京卸売りセンターの頭文字がこのビルの名前になっている。
JR山手線（都営浅草線）の五反田駅から西へと向い・・街中を流れる目黒川に架かる五反田大橋を渡って越えると、ゆるい上り坂になる。行く手に高速２号目黒線のコンクリートの大回廊が見えると、その右手前に建っているビルが[T・O・C]　。

外部からビルに入って来る人、又ビル内部から外へゆく人が開閉するガラス壁で交差する。
１階フロアにある吹き抜けの空間は地下食堂街へと降りるエスカレーターが作動している。
ビルの上階へと昇る人はロビーを横切ってエレベーターホールへと進んで、目的の階へと昇降する四角な箱を捕まえて乗り込む。ロビーフロアは、前後左右上下と人の行き交うビル内の信号機の無い立体交差点とも云えるスペースなのだ。

ーロビーではソファー等が置かれてあり、外来者が一時休憩する姿が見られる〜
イベントに訪れる人達の待ち合せの為や、商談の場所としても使われているようだー

【場所】品川区西五反田・・

観世音堂の紫陽花

成城九丁目から仙川の流水へと、右に緩くカーブして下る坂がある〜
途中のこんもりした森は観世音堂で、この季節は深い蔭をつくっている。
道から石段を上がり、鳥居をくぐると境内は奥に向って静寂の気が満ちている！！

真っすぐに進んだ突き当たりの正面には本堂があって、境内には銀杏の大木が数本天に向って延びており、晩秋に訪れるとギンナンを収穫できる。
本堂奥の裏山は墓地のある場所で、ガキ共が時々はキモ試しをしている。
左側のお堂は能楽堂なのか、この坂道を下る時に何度か笛や太鼓の音を聴いている。

道沿いの石垣の上からは、木立の間からガクアジサイが顔を覗かせている〜
環境のせいか淡い色彩をしている、もしかしてヤマアジサイかとも見えるのだが・・。

ー２年前の夏の夜10時頃にこの前の道を通ると、辺りは暗く鳥居の石段横に自転車が２台ころがり、人影は無かった。すると急にバタバタ々と墓地の方から足音がして、坊主頭の中学生２人が「マジ〜恐えぇ’〜」と飛び出して来た・・ー

【場所】成城九丁目の斜面・・

08’草喰われの家-4

　

七月の中旬を過ぎて、各学校が一斉に夏休みに突入した〜
この季節に外を出歩く人は、暑さを覚悟しなければならない・・
自宅のブラックベリーが花を終えて、数10個が赤黒く結実を見せている！！

この家は草喰われと言っても、決してむさ苦しさは全く無くメルヘン調の味がする。
建物自体はモルタル造りで、外装はクリームに近いオフホワイトの暖色に塗られている。
そして１、２階の出窓と窓枠及びヨロイ扉には白で清潔館を醸し出している。

つた草の繁殖は２階から屋根にかけて一葉一葉が分厚く密に茂って濃い緑の壁を作り〜
白枠で囲まれた窓は、夏空の浮かぶ白雲を映して涼し気にそこに嵌っている。
家の南側には庭があって、北側の角に円い門灯のある玄関が造られている。
道路とのパーテションに植えられた、花水木の緑の影が玄関前で何気なくゆれている。

また外部に巡らせた胸の高さの塀には、黒い陶板タイルを張って白い住宅との見映えの良いコントラストを演出して、華やかで品の良い印象を建物に付加させている。

ー建物に人が住み暮らして、家としての個性が生まれる〜
自然界の植物のサポートで、人は暑い夏を何とか乗り切れる・・
まだまだ質の良い、草喰われの家’に出会う私の楽しみはつづく・・ー

【場所】祖師谷四丁目のあたり〜

墨色の家

この墨色の建物に初めて出会ってから、もう１５年にはなると思う〜
今日この道に来て、どうなっているかと久し振りに寄ってみたくなった。
変化は無く植物が暴れ気味に育ってるだけで、そのまま状態をキープしていた！！

そこは川から昇った丘の上にこの家は建っており、少し勾配のある立地でもある。
裏側にあたる２階の窓から西に目を向けると、川の流れを越えて成城地域の緑と川辺の風景が多分見えるのではないかと思う。そしてこの建物自体は、台形に建てられていて、西側の屋根が高くなっているから日没時の夕陽も拝めるのでは・・。

全体を眺めると建物の墨色に対して、各壁面のフレームをはじめ屋根のフレーム窓のフレームそれから雨樋のラインにもアルミのメタルを使って、コントラスト良く配色を考慮したDesignで黒＆白のキリッと引き締まった仕上りになっている。
又さりげない造作の玄関と云うか入口にも、アルミメタルの格子が使われている。

庭のある南面の２階は、明るいリビングとして使われているようで、お立ち台スタイルのテラスが横に設けられてあり、この家を使い暮らす人への細やかな配慮がそこには見て取れる。

ー下の橋から続く家の前の道は、車一台分の一方通行路になっていて南に向うと〜
やがて成城学園初等科と祖師谷小学校の間に道を通って、砧図書館前に出てから・・
小田急線が走行するガードと交差するのです・・・ー

【場所】祖師谷４丁目のあたり